プロローグ

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立ち直る時間さえあたしにはなく、連休は最悪のものとなった。 「おはようございます」 心持ちテンションも低い。だけどそうもいってられない。あたしは仕事に目覚めるんだ!ってかそんな顔してたらかいセンパイにも悪いしと気合いを入れなおした。仕事で支障は出さない!それがアタシたちの最後の約束だったから。 センパイが自分のお部屋から出てきたので、思いきって声をかけた。 「おはようございます」 するとセンパイは機嫌が悪そうに、 「おはよ。」 と、返してきた。 「えっ?何今の。いや朝だからだよね、考えすぎだよね」 そう思った。だけどこの態度はいつまでたってもかわることがなかった。 ハナシガチガウ。 そう、思った。仕事に出さないときめたのはかいセンパイなのに。あたしがどんな気持ちで笑ってるのか、話しかけてるのか全然わかってない。なんか、馬鹿みたいだった。人を信じられなくなった。 みなさんはありますか?彼に不信感を抱いたり、裏切られたこと。 何でこの人!って思うのに、キライになりきれないこと。 恋は意地悪です。苦しくてクルシクテたまらなかった。 誰かに相談したくても、この状況をわかる幼稚園の仲間には絶対言えない。かといって、トモダチにいったとこで同情は受けるが本当に過酷な現場をみてもらう事は出来ない。 気が狂いそうな毎日が続いた。嫌なことは重なるもので、主任のかおりセンパイまでがアタシに厳しくなり始め、気づいた時にはアタシの居場所はどこにもなかった。 消えちゃいたい! 本気で思った。そんなときある人に出会ったのである。
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