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ナキムシドライブ
お会計をして、アタシたちは店の外に出た。
りかセンパイは、
「ごめんね、じゃ、アタシ急ぐから、あと、ヨロシクネ」
そういって、足早に帰ってしまった。
あーぁ、取り残されちゃったよ。そう思いながら、帰ろうかと思い、
「じゃ、アタシも帰りますね、」
そういうと、かいセンパイが一言、
「あー、じゃーね。」
えっ??只今の時刻、am2時半だよ?女の子が1人、車とはいえ、帰るって言ってんのにそれだけ?
けど、そのとき、かおるくんたちが、
「かい、送っててやんなよ、こんな時間だし。」
と、言い出してくれた。
超優しいじゃん!!と感動したのはほんの何秒だった。
ここからアタシの心はどんどん凍り付いていくのである。
「えっ、だって俺、車あるし。」
そういうと、かおるくんたちは
「おまえのエスティマは俺たちが乗って、追い掛けてやるからさ、帰り道ずっと一人じゃ、怖いだろうし、かわいそうじゃん。」
そう、答えた。すると、
「…。いや、大丈夫だろ?」
と、ボソッと言った。そんな風に言われたら、大丈夫と答えるしかなく、
「アタシは大丈夫ですから、中途半端な時間だけど、家開いてなきゃ、どっかで時間潰すし…」
と仕方なしに答えた。
でも、かおるくんは優しかった。
「なんか、俺おなかすいちゃったなぁ、ラーメンでも食いたくね」
と、話を切り出し、
「そういえば少し。」
とアタシが言うと、
「じゃ、飯食いに行こうぜ!!」と盛り上がった。
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