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ソシテアラワレタ
気が付くと冬休みが近付いていた。もうこの幼稚園には誰も頼れる人がいない。アタシは絶望的だった。
そんなとき、アタシと入れ替わりに辞めていった実習の指導担当の先生が帰ってくることになった。
「ひさしぶり😃」
りかセンパイ。菜々子にの美人さん。優しくてだけど頼れる憧れの人!ほんとはりかセンパイと働きたかったのに、皮肉なことに、あたしに就職のコエがかかったのはりかセンパイの退職があったからだった。
「りかセンパイ!」
「戻ってきちゃった!」
のちのちわかったが、りかセンパイの縁談話がなくなって戻ってきたと言う。
実は、彼女、アタシの師匠とお呼びするが正しい波瀾万丈人。
「どう?頑張ってる?」
りかセンパイを見たとき助けてほしいと今にも叫びたかった。泣きたかった。でも、言えない。
1月になり、正式にりかセンパイが復帰した。なんだかんだ言って似たものどうし?のアタシたちは気づくと仲良くなっていてセンパイの存在があるだけでも、少し楽になれた。
そういえば、辛いことは重なるもので、クラスの保護者ともめたこともあった。うちのクラスにいたハーフの子は理解力が低く、いつも怒られていた。そんなとき、その子の親から、アタシが打ったとクレームがきたのである。
もちろん、そんな事実はない。あとから分かったことは子どもがあたしとタンバリンを叩く練習をしたというジェスチャーを親が勘違いした、という今なら笑える話。
けど、そのときはもうパニックで、やめてやる!と投げやりになってたっけ。
そんな大厄の1年もなんとか終りを迎えた。3学期はほぼ無口になりうち状態だったけど。
やっとかいセンパイから解放される。学年が別れれば交流時間がダイブ減るからね。そんなとき、コトは起きた。
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