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18世紀末 江戸
「なぁ お前さん知ってるか?
今日は紅い月が出るそうだ」
陽が沈みかけた頃
仕事を引き上げた商人の男が
少し前を歩く同業者に話掛けた
「あぁ もちろんだ
だが、噂によりゃあそれだけじゃないそうだ」
少しにやけながら
後ろを振り返り言った
「何ッ!?そうなのか?」
驚き、もっと詳しく聞こうと駆け寄った
「なんでも、隣町をたった一晩で消した化け物が出るらしい」
それを聞いた男は身震いし
「おっかねぇな
今日は帰って嫁さん大事にしろってこったな」
と冗談を言った
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