紅月夜に舞う少女

4/4
前へ
/6ページ
次へ
辺りが静まり 窓から差し込む光が 赤みがかってるのが分かった。 「本当に紅い月…なのか?」 紅い光を見て 少しばかり畏れを感じた僥夜は刀を腰に差し表へ出た。 空を仰ぐと 真っ赤な月が昇っていた 「ほんとにあけぇえ!! もっと近くで見よう」 月を見た途端 切れ長の瞳を輝かせ 走り出した。 一つ心当たりがあった 間近で月を見られる場所。 一人でよく行く丘だ。 ――あそこに行けば間近で見られる 五分程走り、やっと着いた 丘を登りきると手で触れられそうな位、近くに月があった 「すげぇーな」 思わず固唾を飲む。 「つったって、バケモンなんてどこにいんだ?」 [見たいなら見せてやろう] どこからか低い声音が聞こえた 「だッ誰だ!!??」 辺りを見渡してみるが、誰も居ない [前を見ろ] 又 同じ声がした 耳から聞こえるというよりも あたまの中が響くような感じだ 言われたままに 前を見ると 月の真ん中が陥没していた。 「穴…?」 [お前のみたいものが見れるぞ お前の望んだ…]     化け物だ 「!!!??――ッ―」 その途端に陥没した場所から 僅かに人影のようなモノが見えた。 「人ッ!!?」 化け物を人間とは考えてもいなかった僥夜は驚愕した。 徐々に近づいてくるそれは 姿を露にしてくる  だが その姿は 「お…女…?」 .
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加