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辺りが静まり
窓から差し込む光が
赤みがかってるのが分かった。
「本当に紅い月…なのか?」
紅い光を見て
少しばかり畏れを感じた僥夜は刀を腰に差し表へ出た。
空を仰ぐと
真っ赤な月が昇っていた
「ほんとにあけぇえ!!
もっと近くで見よう」
月を見た途端
切れ長の瞳を輝かせ
走り出した。
一つ心当たりがあった
間近で月を見られる場所。
一人でよく行く丘だ。
――あそこに行けば間近で見られる
五分程走り、やっと着いた
丘を登りきると手で触れられそうな位、近くに月があった
「すげぇーな」
思わず固唾を飲む。
「つったって、バケモンなんてどこにいんだ?」
[見たいなら見せてやろう]
どこからか低い声音が聞こえた
「だッ誰だ!!??」
辺りを見渡してみるが、誰も居ない
[前を見ろ]
又 同じ声がした
耳から聞こえるというよりも
あたまの中が響くような感じだ
言われたままに
前を見ると
月の真ん中が陥没していた。
「穴…?」
[お前のみたいものが見れるぞ
お前の望んだ…]
化け物だ
「!!!??――ッ―」
その途端に陥没した場所から
僅かに人影のようなモノが見えた。
「人ッ!!?」
化け物を人間とは考えてもいなかった僥夜は驚愕した。
徐々に近づいてくるそれは
姿を露にしてくる
だが その姿は
「お…女…?」
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