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「っ…ぅ…」
「あなたはすべてを破壊するものです」
「聞いていた通りだな悪魔」
「話は聞いている
悪魔」
「この世界を破壊しにきた」
「悪魔」
「破壊者」
「お前を破壊する
悪魔…」
「うわっ……」
士は飛び起きた
首筋にも額にも汗をかいている
「はぁ…はぁ…はぁ…」
袖で額の汗を拭う
「夏海…」
士のすぐ横でソファーにもたれながら床に座っている
どうやら眠っているようだ
窓を見ると、太陽が半分だけ見えた
「朝…か…」
夏海が起きないように気を付けて士はソファーから起きあがる
体はまだ痛むが動けないほどではない
テーブルの上にあるスーツケースを見つけ歩み寄る
「何でここに…」
士はスーツケースを開く
中には何も入っていない
スーツケースの下に紙が見える
それには
[士、君が持っていたお宝は
すでに誰かの手に渡っている
士はゆっくり休んでいるといい
あのお宝だけはどうしても譲れないからね
P.S
疲れた体には味噌汁が一番かな
ナマコは使ってないからね]
キッチンの方を見ると鍋があった
ふたを開けるとまだほのかに暖かい
「海東…また勝手に…」
士はそう言いながら一口飲んで出かけていった
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