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その日は
コンビニで買ってきた弁当を食べて
すぐに寝ることにした
うちにはずっと前から両親がいない
それは三那のように
入院しているわけでも
ましてや事故やらなんかで失ったものでもない
おかしな話だが
生まれてから親というものを知らない
三那もそれを解っているからこそ
自分と同じ辛さを持つ俺に気を使ってこうしてきてくれるのだろう
次の日の朝
朝食を食べながら
三那はおもむろに聞いてきた
「ねぇ…造刈…昨日のって何だったの?」
俺は…三那を見ることが出来なかった
三那は気を使ってか明るく聞いてきてくれたが
そこに俺は気づくことはなかった
俺が思っていたことは
俺はなぜかあの怪物を知っていると言うこと
それは
自分もまた、同じ怪物なのではないか
そう考えてしまっていて怖かった
だから
「…知らないよ…知らない」
俺はため息混じりに答えて食べ終えた食器の後片付けのために台所に食器を持っていった
「そうだよね
あんな化け物みたいなもの
知っているわけないよね」
俺の後ろでなにかが晴れたように
明るく言う三那の声が聞こえたが
おれはなにも答えることが出来なかった
その話はその後一切することなく
学校やらなにやらの話でお互いがお互いの話に笑いながら
学校へ向かった
学校へ着き
自転車(昔使っていた旧タイプ)を自転車置き場に置き
教室へ
……まぁ、学校の話は特にないかな
ただ、流れていく退屈な時間
クラスにも友達はいる
でも
そこは上辺だけの関係だろう
みんなそうなのだから
だから
学校が嫌いだ
でも
学校も家も
どこにいても俺は変わらなかった
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