日常・非日常

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でも この日の帰り 居残りもなくたくさんの生徒の中で俺も帰っていった その途中 帽子を深くかぶった青年に呼び止められた 「ちょっと…いいかな」 どこか優しいが断りがたい言い方をしている 「…はい」 俺は、無意識の内に答えていた 「ここじゃ何だから すぐそこの公園にでも行こうか」 俺はその男に付いていった 公園には人が全くいなかった 男はベンチに足を組んで座り話し出した 「僕は海東です 海東大樹」 海東と名乗った青年は笑顔でそう言っていた 俺も名を言おうとするが 「俺は天命…ー」 「ディサイドだよね? 君」 「? 何のことですか」 俺は、この人の言っていることが解らなかった 「君、カードか何かを拾わなかったかな? これと同じような」 海東さんが見せたカードは絵柄がないカードだった そのカードの裏を見ると 昨日拾ったカードに似ているような気がした 「あの…このカードって…」 海東さんは立ち上がりカードを取り上げて 「知っているよね? それをくれ」 そう言って手の平を上にして 手を出してきた 「…失礼します…」 俺は軽く一礼だけしてその場を後にした 「見つけた やっぱり解りやすかったな」 海東はそう言って天命とは反対の方向にあるいていった
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