思い出・記憶

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「やぁ… えぇーと、名前なんだっけ」 「天命です…海東さん 来るくらいなら名前くらい…」 帰宅時間が少しずれていたから周りに他の生徒がいないため 俺たちは校門前で話をしていた 「じゃあ天命君 もう、デッキとディサイドライバーを持っているよね?」 人差し指と中指で俺を指さしてきた 「……だったら何ですか? 戦いに来たんですか?」 俺は答えるのを少し躊躇ったが なんだか負けになるような気がしたため 少し震える声で答えた 「それも悪くないけどね 止めておくよ 君も僕には遠くおよばない」 海東さんは笑顔で答えた それが無性に腹が立った 「そんなの解らないですよ」 そう言って俺はデッキとディサイドドライバーを構えた 「君のディサイドの力は完璧じゃない このカードが足りないからね」 そう言って以前見せてきた何も描かれていないカードを見せた 「…どう言う…」 俺はデッキ等をしまって聞いた 「デッキはしっかりとした枚数が必要不可欠だよ 覚えておくといいよ 今日は確認だけだから失礼するね」 そう言って海東さんはどこかへ向かっていった 「何だよ…なんにも思い出せない… だめだ…解らない…」 俺はその苛立ちからか校門を拳で殴った 俺はそのまま走って家に帰った 拳は痛かったけどどうしようもなかった 海東さんの言葉は俺を不安にした 苛立ちよりも不安だった でも それが何故かは解らなかった だからこそ不安だった
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