思い出・記憶

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「俺は…死んだ?」 自分が倒れているのに確かめにいくことが出来なかった 「天命、すまない…」 そう言って士さんはバイクにまたがり どこかへ走り去った そこでまた目の前がまぶしくなった そして再び目を開くと元の道に戻ってきていた 「え? 涙?」 俺の目からは涙がこぼれていた 何故かも解らず悲しいとも思わなかった 涙を拭って 俺は家に向かっていった 「写真館?」 途中、喫茶店に寄ろうと向かった先には写真館があった 「あ、 いらっしゃいませ」 カウンターには綺麗な女性が座っていた 「あの…ここって…」 俺は失礼の無いように確認しようとしたが 「…写真館です 喫茶店じゃありません」 なぜだか怒らせてしまった… 「コーヒーなら入れますよ 美味しいの」 奥から老人が顔を出して答えた 「どうぞ」 女性は立ち上がってそっちに歩いていき 俺はその後ろを歩いていった そうして カメラと背景のスクリーンがある部屋へ入った おくでさっきの老人がコーヒーを丁寧に丁寧に入れていた 「どうぞ」 真ん中にある丸い机の周りにある椅子に座る 「どもっ 君、高校生だよね? コーヒー飲むんだ」 笑顔がよく似合う青年が横に座ってきた 「あ、はい…」 俺は少々人見知りする面があり かしこまってしまった
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