お宝

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「士、いるかい?」 海東がさっきの戦いで奪った黒いスーツケースを肩に担ぎながら入ってきた 「海東さん、士くんが…」 夏海がさっき以上に心配そうに言った 「…士? 何かあったのかい?」 海東は特別心配した様子ではない 「それがわからないんです 何か知りませんか?」 ユウスケが海東に聞く 「悪いけど解らないな 僕は士が持っているはずの中身を貰おうと思っていただけだからね」 空だったらしいスーツケースを机に置きながら海東は言う 「…とりあえず今日は失礼するよ 士も どうやらそれ所じゃないらしいしね」 海東はユウスケに人差し指と中指を前に出して親指を立てて まるで拳銃を撃つようかのに動す 海東の癖でもあるポーズをしてから 笑顔で写真館を後にした 「…士がどうしたのか 調べてみるのも悪くないかな」 海東はそう言って歩きだした 何か、あてがあるように
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