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「いかがでしたか?」
マクベスは人差し指で眼鏡を上げながら主審の男に聞いた。
「さすがに今年は新しく騎士団が創設されることもあって、その期待度も高く、割りと粒ぞろいと言ってよろしいのではないのでしょうか。その中でもやはりクイニス家のご子息の活躍は目覚ましいものがあったかと」
「わたくしもクイニス家の実力があれほどのものとは、思っていませんでしたよ」
マクベスは男の一人から騎士免許取得者リストと、トーナメントの対戦成績表などを受け取った。そしてそれらに目を通していく。
「マクベス様、いかがなさいましたか?」
マクベスがあまりにも熱心に対戦表を見ていたため、男は何事かと思い声をかけた。
「一つ気になることがあるのですが」
「と、申されますと?」
「決勝戦でユウキ・クイニスと当たって善戦したあの少女が誰なのか気になって仕方がないんですよ」
マクベスはようやく顔を上げると催促するように言った。
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