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雨が僕らの頬を濡らす。 人気(ひとけ)のない学校の帰り道であった。 彼はいきなり立ち止まって遠くをぼうっと眺めていたのだ。 ウサギくんの横顔がとても綺麗だったから僕は彼を眺めていた。 露が彼の頬をなでていくのをゆっくりと目で追った。 それが落ちたとき、はっと寒気が僕の背筋を襲った。 気づけば雨は大降りになっていた。 ウサギくん、もう帰ろう。このままじゃ君も僕も、風邪を引くよ。 僕は言った。
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