5人が本棚に入れています
本棚に追加
「しかしですね・・・役に立つ資料も何もない中で、研究をしろと言われても、それは無理がありますよ。いいですか、丈・・・」
そう言いかけたら、丈がまた口を開く。
「そんなことないっ・・・!!今はまだ何も分からないかもしれない、だけど・・・地道に研究を続ければ、きっと何かが見えてくるはずです!!僕も頑張りますから、博士も諦めないでください・・・」
一気に言い終えた丈は、ゼェゼェと荒い息をしている。博士はじっと考え込んでから、笑顔を作って、
「・・・。わかりました。おかげで何かが吹っ切れました。私は大切なものを忘れていたよ。ありがとう、丈・・・」
と、言った。それから博士は椅子から立ち上がった。
「丈、研究を続けましょう。諦めなければ、きっと何かがわかるはず・・・」
「博士・・・!!」
丈の顔がぱぁっと明るくなった。
最初のコメントを投稿しよう!