第0-2話

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「しかしですね・・・役に立つ資料も何もない中で、研究をしろと言われても、それは無理がありますよ。いいですか、丈・・・」 そう言いかけたら、丈がまた口を開く。 「そんなことないっ・・・!!今はまだ何も分からないかもしれない、だけど・・・地道に研究を続ければ、きっと何かが見えてくるはずです!!僕も頑張りますから、博士も諦めないでください・・・」 一気に言い終えた丈は、ゼェゼェと荒い息をしている。博士はじっと考え込んでから、笑顔を作って、 「・・・。わかりました。おかげで何かが吹っ切れました。私は大切なものを忘れていたよ。ありがとう、丈・・・」 と、言った。それから博士は椅子から立ち上がった。 「丈、研究を続けましょう。諦めなければ、きっと何かがわかるはず・・・」 「博士・・・!!」 丈の顔がぱぁっと明るくなった。
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