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誰とも接点を作ろうとはしない田中に対し、山田は暇潰しがてらに色々と話を振ってみた。
「昨日の特番見た?」
「……」
「なあ田中、お前なんで包帯してるんだ? ケガしてるのか?」
「……」
「C組の三ノ宮さん、可愛くないか?」
「……俺に話しかけるな」
なんだよコイツ、と山田は思わずムッとする。しかし隣の金原はクラスの嫌われ者で、後ろの席の上村は他の女子と喋っている。
と、唐突に田中が山田の方へと振り返り。
「……何故俺と関わろうとする?」
と尋ねた。
「いや、田中って俺と話した事なかったし、良い機会かなって」
すると田中は鼻を鳴らし、頭を抱える様に手を額に軽く当てた。
「……俗世にはまだ、面白い人間がいるんだな……お前、『闇夜の刃』って知っているか?」
山田は頷く。基本的に多趣味な山田はそのタイトルを聴いただけでピンときた。
「ああ、あのアニメ化したヤツだろ? 俺、単行本全部持ってるぜ」
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