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寝てどれくらいの時がたったのだろうか。
俺はある夢を見た。
銀髪の右目を隠すかのような髪型の俺と同じくらいの男が、手錠をかけられ…目隠しをされて牢に入ってると言う夢だ。
そして何度も何度も…俺の名を呼んでいた
何かを訴えかけるような夢のあと…目が覚めた。
時計を見ると4時50分。マルコはとっくに起きていて、身支度を始めていた。
「おはよう、悠。うなされていたみたいだが、大丈夫か?」
「あぁ…大丈夫だ」
俺も寝惚けていたが身支度を始めた。二階へと行きネクタイを緩く締め食材、武器、薬等をバッグの中に詰め込んだ。
身支度はものの数分で終わった。持ち物は必要最低限におさめた。
そして最後にリングを右手の中指へとはめた。
「悠。支度はできたな?それじゃあアーケフルクトゥスに向かうよ」
「あぁ…」
まだ薄明るく冷え込む外へ出た。
そして、もしかしたら戻ってこれないかもしれない家を見る為に振り返ろうとしたが、振り返るのをやめた。
こんなことでいちいち振り返っていたら、前には進めない。
そう、これからの旅も。
俺達はアーケフルクトゥスへ向かうために歩を進めた。
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