新たな世界

3/20
145人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
短刀を手に取り、用心しながらドアを開けた。     隙間から見えた人物は、金髪で蒼い瞳の外人だ。     「ハーイ、悠!……おっと…そんなに警戒しないでくれよ」   「俺に何の用だ…」     ニコニコとしている顔。殺気は感じられない。手に武器を持ってる様子もなかった。     「何の用って…迎えに来てあげたんだけど?……この世界の案内役、マルコ・ドロシー様がね」   「失せろ…」     俺はマルコの顔をかする程度に斬った。マルコの頬からは、紅い血が流れた。     「俺の顔に傷が……美しい俺の顔に傷が…よくもやってくれたな!成実悠っ!」     マルコの手元を見ると、氷でとがった武器の様な物を作り出していた…。 現実では考えられないことだ。人が何もせずに、氷を作り出す…。     そう考えているうちに、マルコはその氷の武器を俺に向かって投げつけてきた。     頭で考えるより先に体が行動していて、短刀で氷を斬り落としていた。それから、マルコに近付き、首元に短刀を構えた。     「…いいねぇ。なかなかやるじゃん…成実悠」   「…お前もな」     マルコは首元に短刀を構えられてるにも関わらず、不敵な笑みを浮かべていた。    「だが、この勝負…俺の勝ちだよ」
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!