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短刀を手に取り、用心しながらドアを開けた。
隙間から見えた人物は、金髪で蒼い瞳の外人だ。
「ハーイ、悠!……おっと…そんなに警戒しないでくれよ」
「俺に何の用だ…」
ニコニコとしている顔。殺気は感じられない。手に武器を持ってる様子もなかった。
「何の用って…迎えに来てあげたんだけど?……この世界の案内役、マルコ・ドロシー様がね」
「失せろ…」
俺はマルコの顔をかする程度に斬った。マルコの頬からは、紅い血が流れた。
「俺の顔に傷が……美しい俺の顔に傷が…よくもやってくれたな!成実悠っ!」
マルコの手元を見ると、氷でとがった武器の様な物を作り出していた…。
現実では考えられないことだ。人が何もせずに、氷を作り出す…。
そう考えているうちに、マルコはその氷の武器を俺に向かって投げつけてきた。
頭で考えるより先に体が行動していて、短刀で氷を斬り落としていた。それから、マルコに近付き、首元に短刀を構えた。
「…いいねぇ。なかなかやるじゃん…成実悠」
「…お前もな」
マルコは首元に短刀を構えられてるにも関わらず、不敵な笑みを浮かべていた。
「だが、この勝負…俺の勝ちだよ」
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