罪と罠

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初めて城を訪れた時、空には厚い雲がかかり暗かったが、今の空は雲は消え去り、昼だったのだが、城の周辺は夕方の様で空は暖かみのある朱色に染まっていた。 「…この場所から曇が消えたのは久しいな…。夕陽もいいものだ」 王は再び空を見上げていた 「そう…だな」 「ほら…許可証だ」 そう言われて、王から投げて渡されたのは黒の十字架のネックレスだった 「これが…許可証?」 「…この許可証を渡すのも最後…だな」 「どういうことだよ」 「もう、ないのだ。黒の十字架がな。瓦礫の中に埋まってしまったのだ」 では掘り起こせばいいんじゃないかと言いたかった。だが口に出す事ができなかった 「それと悠。…我とキアス、維真を悠の旅に連れて行ってはくれないだろうか?我は他の町や村がどうなってるのか知りたいのだ。維真の親族の生き残りがいないか探したいのだ」 王からの願い。群れるのは好きじゃなかった。だが何故か…王やキアス、水無月と一緒に旅がしたいとそう感じた。
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