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皆支度も終わったようだった。
だが、窓の外に目を向ければ、空は朱く染まり日も暮れ始めて来ていた。
「悠…出発するのか?一泊するのか?」
そう俺に声をかけてきたのは王だった。
早く先に進みたかった俺は躊躇う事なく口を開き言葉を紡いだ。
「このまま出発しようぜ。ってか俺が決めていいのかよ?」
「構わないのではないか?」
皆を見ると頷いてる奴や目を瞑り、口許に笑みを浮かべてる奴もいた。
「それじゃあリーヴィに向けて出発しようぜ!」
俺は珍しく声高らかにそう言った。
十分後、俺達は町の出入口に着いた。
町を背にしていたが各々振り返り、町を見た。
暮れなずむ空は…とても綺麗だった。まるで俺やマルコ、王、キアス、水無月を見送ってくれている…そんな気がしてならなかった。
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