F.L……#2《始まりの時》

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程なくして俺たちの前にコーヒーが運ばれた。窓の外に目をやると、窓拭きのゴンドラが………よそ見してる場合じゃないか。     『初めまして。フレイ・アルスターと申します』     「イザークジュールです。こちらこそよろしく」   近くで見るとわりと美人……可愛い。   ナチュラルウェーブがかかった赤髪、端正で少し子供っぽさが見え隠れする顔。瞳は綺麗なブルーで、どうですか?……どうですか⁉   『話し聞いてます?』   ――しまった‼ 想像の世界にトリップしていた💧   「話の内容が少し把握しかねますねぇ」   超一流の出任せでその場を凌いだ 我ながら実に巧い。   『ここ最近、尾行られてる感じがするんです。 ひどい時には無言電話が何件も』   ――早い話がストーカー。 警察に行けよ💨 だが次の瞬間、事態が急を要するということが判明する。   『これが今朝車の前に……』   そう   彼女が見せたのは   俺が見慣れたNATO5.56mm弾の空薬莢だったのだ。   #3に続く
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