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程なくして俺たちの前にコーヒーが運ばれた。窓の外に目をやると、窓拭きのゴンドラが………よそ見してる場合じゃないか。
『初めまして。フレイ・アルスターと申します』
「イザークジュールです。こちらこそよろしく」
近くで見るとわりと美人……可愛い。
ナチュラルウェーブがかかった赤髪、端正で少し子供っぽさが見え隠れする顔。瞳は綺麗なブルーで、どうですか?……どうですか⁉
『話し聞いてます?』
――しまった‼
想像の世界にトリップしていた💧
「話の内容が少し把握しかねますねぇ」
超一流の出任せでその場を凌いだ
我ながら実に巧い。
『ここ最近、尾行られてる感じがするんです。
ひどい時には無言電話が何件も』
――早い話がストーカー。
警察に行けよ💨
だが次の瞬間、事態が急を要するということが判明する。
『これが今朝車の前に……』
そう
彼女が見せたのは
俺が見慣れたNATO5.56mm弾の空薬莢だったのだ。
#3に続く
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