小さな喫茶店

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加藤くんは黙々とキャベツの千切りを始める。 ああ、危なっかしいなぁ… 苛々した目で見ていると、加藤くんの隣で監視していたママさんは私を見て微笑んだ。 私は何だか悪い事をした気分になり、目を逸らして店内の掃除を始めた。 キャベツを切り終えて、加藤くんは帰って行った。 2人きりになった店内で、ママさんは私に声をかける。 「疲れたでしょう。座ってていいわよ。」 「ありがとうございます。」 ママさんはグラスにアイスコーヒーを注ぐと、私に差し出した。 モーニングもランチタイムも、私はホットを飲まなかったから、ちゃんと見てるんだなぁと感心した。 流石はママさん。
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