小さな喫茶店

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新しく出来たばかりの喫茶店には、スタッフ募集の紙がガラスにベタリと貼られていた。 その紙に書かれた電話番号を携帯に登録し、早速かけてみる。 「はい、三日月です。」 酒やけしたような水商売特有の声に一瞬怯みながらも、受話器を取った女の人の姿をガラス越しに確認した。 声とピッタリな、スナックのママさんみたいな人だ。 水商売の匂いがプンプンするが、それも嫌いじゃない。 「あの…まだスタッフ募集してますか?」 「してるよ。まだ人手が足りないから、来てくれると助かるわ。」 「じゃあ、すぐに伺います。」 電話を切った私は、リアルにすぐ三日月のドアを開けた。
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