第一章 出逢ひ、別れ

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「はははははっ!見ろ!俺の妖怪の前じゃ、手も足も出ないだろう!」 男が隙を見せたその瞬間… 「行け!ピヨシ!」 「ギョワァァァァ!」 「うわっ!何しやがる!」 男は襲いかかってきたピヨシに驚き、尻餅を付いた。 「その鵺は強いんだろう?でも主が屁っ放り腰じゃあな。」 「っ!;覚えてやがれ!」 まるで悪党の捨て台詞のような言葉を吐き、男達はやっと去っていった。 「ふぅ…ありがとな、ピヨシ。」 「ギョワ!」 ピヨシの頭を撫で、俺はようやく入学式へと向かった。 長い長い入学式も終わり、家に帰ろうとした時だった。 「またか…;」 そう、また例の陰陽師家の男がやって来たのだ。 「さっきはよくもやってくれたな…!お前、俺と勝負しろ!俺の妖怪の方が強いってことを教えてやるよ!」 「俺今から帰るところなんだけど…;」 「何だ?負け惜しみか?所詮そいつも雑魚妖怪だってことだな!」 「…っ!わかったよ!やればいいんだろ?」 「ふん!夕方、丘の上のデカい桜の木に来い!逃げるなよ?」 そう言い残し、男達は去っていった。 .
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