第3章 花屋に集う人々

56/70
前へ
/427ページ
次へ
「だぁかぁらあ、私と行きませんか?って行ってるんです」 「いつだって?」 「今度の日曜日ですってば」 「じゃあ無理だな。ここは休みじゃない」 「ええー!?元々沙音梨だけでやってたんだから、休んでも大丈夫ですよ」 彼女のセリフは、俺がここに来た訳を鉄也が由佳に話していないことをうかがわせた。 (へえ、ちゃんと約束守ってるんだ……) 「何がおかしいんですか?」 「あ、ごめん」 俺は、つい笑ったようで、ごまかした。 「でも、無理だからさ。悪いな」 「そんなことないでしょ~?。麻里、沙音梨に許可取ってきて!」 彼女は、隣に畏まっている麻里さんの腕を引っ張った。 「こらこら、沙音梨は仕事中だよ」 「いいから!麻里!ほら!」 麻里さんは戸惑いながら俺と由佳を交互に見た。 「由佳!」 「え?」 俺がちょっと強めに言ったので、彼女はちょっと戸惑っていた。 ついでにルパンもちらっとこっちを見た。  
/427ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7033人が本棚に入れています
本棚に追加