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「で?由佳さんがおしとやかになって、何か不都合があるのか?」
俺は、出来上がったポークピカタを沙音梨たちの前に置きながら言った。
それを見た太一とヒロシがサラダとスープを出すのを手伝ってくれた。
「あ、いえ……ただ、驚いたって言うか……いや、そうっすね。アニキのおかげですよ。あれが続けば感謝します」
確かに、本来の自分を押し殺していつまで続くことやら。
「うちの親父も、アニキに一度お会いしたいって言ってました」
「へえ……町長が?」
目立ちたくはないが、それも悪くない。
こんな田舎町で、町長に顔つなぎができていれば、なにかと便利かもしれない。
「でも、会いにはいけないぞ」
俺は小声で鉄也に言った。
「あ、そうですね。沙音梨ちゃんの傍を離れられないですもんね……」
鉄也も小声で言うと、俺はうなずいた。
「わかりました。親父をこっちに連れてきますよ」
「ああ、そうしてくれると助かる」
二人でちょっと悪巧みしてる感じだが、沙音梨と美里さんは、二人できゃっきゃ、きゃっきゃと食事に夢中で気付いていないようだった。
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