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「アニキ……お腹空いたっす」
太一が二人の食事を見ながらつぶやいた。
「悪いな、お客をほっぽり出して……」
沙音梨たちの様子じゃ、こいつらのために急ぐ雰囲気はまるでなかった。
「仕方ない。俺が作ってやるよ」
「え!マジっすか!?」
「ああ、ちょっと待ってな」
太一が大喜びだった。
俺は、ピラフを取り急ぎ大盛りで作ってやった。
それを3人の前に出す時に、にやっと笑う美里さんと目が合った。
(……確信犯かよ)
やられた。
俺は、珈琲泥棒の従業員にもなってしまったようだ。
「ブレンドは淹れてくれよな」
「はいはい♪」
美里さんは食べ終わって手を合わせると、ブレンドを淹れ始めた。
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