第3章 花屋に集う人々

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結局彼らも「直人さん」という呼び方で落ち着いた。 3人が帰った後、俺たちは少し飲んでいた。 俺は、沙音梨と美里さんに挟まれていた。 「直人君、すごいね。町田兄妹を更生させちゃったね」 俺の右手に美里さんが手を重ねながら言った。 俺はさりげなくその手から逃げた。 (更生って……あの二人はどう思われてたんだ?) 「ほんと、直人さんすごい!」 沙音梨が俺の左手を掴んで言った。 「でもさ、なつかれても困るんだけど」 俺はその手はそのままに答えた。 ちらっと見るとちょっと美里さんがすねている。 「いいじゃない。淋しいより楽しいでしょ?」 沙音梨が笑った。 「……そうだな」  
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