第4章 春の真ん中のおと
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その時、遠くからこっちへ向かってくる車の音が聞こえた。 俺は立ち上がると、その車を確認してみた。 「あ、やべ……」 俺は、頭を引っ込めた。 その車は、小型の赤い外車だった。 由佳だ。 通り過ぎるかと思ったら、すぐ上で停まった。 俺は道路のすぐ下のコンクリートの護岸に背をもたれさせて隠れたつもりだったが……
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