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彼女の白いカーディガンが赤く染まりだした。
彼女は既に刺されていた。
必死に逃げようとする彼女に向かって男はもう一度刃物を振り上げた。
「うおおおー!!離せ!斉藤ー!!」
目の前で女性が何度も刺されているのに、俺は押さえつけられて車に乗せられた。
「出せ!」
班長の声に、2台の車は急発進した。
車のリヤウィンドウから、男が駆けつけた警官に取り押さえられているのが見えた。
段々小さくなる倒れて動かない彼女は、まるで赤い服を着ている様に見えた……
誰も声を発しない中、俺は一人で何度も何度もウィンドウを叩いた。
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