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「んとねぇ、引き寄せられちゃったの。」
その子が笑顔で言ってきた。
んっ?
今なんて?
引き寄せられる?
家って霊集まりやすいんだっけ?
まぁ言われてみればそうかもな。
知らない人が増えてる事も有るし。
「引き寄せられたか………やはり妖、この家は霊の集合場所じゃないのか?」
妖の言う通りだ。
前に母さんとこの家に引っ越して来た時、同じ心霊現象が相次いだから、お祓いの先生に見てもらった所、この家は霊の集合場所になっていたらしい。
でも別に普通の未練を残した浮遊霊しか来ないようにこの家自らが結界を張ってあるから安心して大丈夫だと言われたからそのまんまなのさ。
だからこんな子供まで来ちゃったんだ。
「ねぇ、君何歳?」
俺はその子の身長に合うように体を屈ませた。
「んとねぇ、小雨5歳!!」
小雨と言う子は手を広げて言った。
5歳かよ………若いな。
俺も十分若いけど。
「ねぇ、君はどうして幽霊なの?」
おい妖………そんなの決まっているだろ………死んだから霊になったんだろ………。
あ、でも幽体離脱とか有ったな。
生き霊とか。
「そんなの決まってるでしょ!!死んだからだよ!!」
あ、小雨ちゃんハッキリと言っちゃったよ。
俺が言おうとしていた事を言っちゃったよ。
「死んだ!?そっか………悪いこと聞いちゃったね。」
妖は申し訳なさそうに顔をうつ向かせて言った。
つか普通分かるだろ。
「ねぇそんな事よりさ、お兄ちゃん達遊ぼうよ!!」
小雨が俺たちの腕を引っ張って言った。
「分かった分かった!!でも何で遊ぶの?」
「んとねぇ………。」
俺の言葉で小雨が一時停止した。
「なんでも良いよぉ!!」
マジですかぁ!?
何でも良いんかい!!
てかこの部屋男部屋だしなぁ………。
さて、どうしたものか。
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