始まり

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「んっ?霊、確か霊になるのは、守護霊としてか未練を残した霊だけだろ?守護霊だったらここには居ないだろ?だから、この子何か未練が有るんじゃないか?」 確かに妖の言う通りだ。 一応聞いてみるか。 「ねえ小雨ちゃん、死んじゃった時、何か未練でも有った?」 俺がこう言ったら、小雨ちゃんは悲しそうな表情をした。 「あーごめん!!」 「ううん………実は小雨、お父さんに殺されちゃったの………。」 「な………にぃ………。」 妖が俺の横で驚きと怒りを表情に表した。 「小雨ちゃん、失礼だけど、姓名何て言うの?」 「白鳥………小雨。」 「やはり!!」 妖が探偵の様に言った。 「この子、前にニュースでやっていた、幼女殺害事件の被害者だ。」 「何だって!?でもあれって他に犯人が居たんだろ!?小雨ちゃんはお父さんに殺されたて言っているぞ!?」 「はぁ………霊、お前ニュースちゃんと見てないのか?」 「いえ全く。」 「だからだよ………。」 そう言うと妖はやれやれと手を振った。 そして続けた。 「あのな、妖、その犯人が小雨ちゃんの父親だ。」 「なるほど!!でもこれは小雨ちゃんを殺した犯人が分かっただけで、小雨ちゃんの未練が分かった訳じゃないよ?」 「そうだよなぁ………。」 そう言うと妖は困った顔をしながら腕を組んだ。 そしたら小雨ちゃんが喋りだした。 「あのね、小雨お母さんに会いたいの。」 「なるほど………未練が分かった。」 俺はそう言った。 だが実際小雨ちゃんの未練が分かった所で何が出来る? 会いたいって………小雨ちゃん死んでんだぜ? 「なら、体を貸してあげてはどうですか?」 俺たちの背後から母さんの声が聞こえた。 でも今飛んでもない事言わなかった? んっ?体を貸す? 俺の? 「何言ってんだよ!?俺男だぜ!?無理に決まってんじゃん!!つか何時からそこに居た!?」 「ふふふ~………最初っからですよぉ~。」 ニコニコしながら言ってきた。 くそっ………母さんじゃなかったら殴ってたぞ………。
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