G a rDe n

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未だにスイカを目で追っているフユラを引きずって、ミリアンは森へと入っていった。 森は好き。 森に来ると少し安心するから。 森の中に入ると、木々の葉のこすれる音や、鳥達のさえずりがとても心地よかった。 フユラは音に敏感なので、耳がひっきりなしにピクピク動いている。 「さあ、何か美味しい果物でも探そっか。」 「絶対に空で飛ばない果物ね。」 ミリアンはすぐに付け加えた。 フユラが素早く空を仰ぎ見たからだ。 絶対、あのスイカは、嫌! 「ちぇっ。 ミーナの意地悪っ。」 フユラは文句を言いながら辺りをピョコピョコと探し始めた。 辺りには、木々の他に様々な形のキノコが生い茂っている。 果物を探す方法は二つだ。 まれに生えている果物のなる木を見つけるか、果物が土の中に埋まっているのを見つけるか。 果物のなる木は探し歩くことで見つけることができるが、埋まっている方は知識と目利きがないと発見できない。 フユラは目利きがあるので、地面にピッタリとはりついて探していた。 特定のキノコの根の所に果物は埋まっている。 確か…果物のなるキノコは… ミリアンは幼い頃城で勉強をしていたので、その記憶を頼りにキノコを探し始めた。
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