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いや、気に入られることは好きだけどね。
ここまで好き勝手な気持ちの押し付けはどーかなー…と…
…とりあえずご飯を食べよう。
固まりかけた体をほぐすようにして、ミリアンは大広間へ向かった。
階段降りてすぐのエントランスから、大広間はすぐ隣にあるのでラクだ。
どちらかと言うと高級ホテルのような感じの造りで、エントランスの端には受付のような所があり、来客者はそこから入れるようになっている。
来客者はここ数年いないが…
大広間へ向かうとそこには美味しそうな朝食が湯気を上げてミリアンを歓迎していた。
「お腹すいてない…」
ミリアンは牛乳とパンをひとかじりして、椅子に座ることなく大広間から出た。
だいたい大広間で食事を取る意味も分からない。
確かにたまにパーティーがある時はそこで食事をするが、一人で食べるのにあの空間では圧迫されている気分になってしまう。
息が詰まりそうになる。
そういえば、食事の時は、シガーもフユラもいない。
【大広間の朝食】
頭が痛い。
何故かフユラに会いたくなった。
外にいるんだっけ。
ミリアンは少し急ぎ足でエントランスを抜けて外に出た。
何かから逃げ出すように…
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