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「ミーナぁ!」
そんなことを考えていると、庭園の中の白い大きなものを目がとらえた。
「ミーナここだよっ!」
フユラがピョコピョコするたびに、側にいるシガー達が倒れたり蹴飛ばされている。
「何してるのー?
僕ちょっと待ち疲れちゃったよー?
先に行っちゃうよー?」
…
是非、行って下さい。
と思ったが、周りにいるシガーに睨まれる様を見て、降りることを決意した。
階段を降りる途中でなんとなく城を振り返り見た。
城の大きな扉の横に、小さな子が書いた様な汚い字で、"myroom"と書かれている。
毎日シガーが掃除をしているのに、何で消えてないんだろぅ…
そのチョークで書かかれた字は、古くから書かれているがまったく色褪せていない。
ぼーっとしていたが
「ミーナぁぁぁ」
の声でシガーが心配になり急ぎ足で階段を降りた。
「ミーナ遅ーい!…
ミーナ、目、赤いよ?」
ミリアンは息をきらしていた。
「城…庭園…シガーっ」
「ミーナ意味分かんない。
せっかくの僕の宝石と同じ、ミーナの空色の目が真っ赤っかだあ。
」
心配なんて微塵もしていないようだ。
「だから…シガーが心配でっ、走って…きたのっ!
庭園、遠いからっ」
一瞬、沈黙が走った。
あれ…怒らせたかな?
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