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「……まあ、こんなところかな」
そう言って、涼は自分がここに来るまでの間のこと、沙羅がここに来るまでの間に考えていたことを、大した情報ではないのだが全て話した。
「……涼兄も、いつの間にかここに来てたんだ……」
涼の話を聞いた後、この状況をなんとかできそうな情報が得られなかったことに落胆しつつ、沙羅はそう呟いた。
沙羅の話を聞けば、自分もモバゲーをやっている時にふと眠くなり、気が付いたらこの場所にいたらしい。
「手がかりは一切なし、か……」
涼は一つため息をつけば、その場に座る。それを見た沙羅も、涼と向かい合うようにして腰を下ろした。もちろん手がかりがなくても、この状況を何とかするために必要なことを話し合うためだ。
「……涼兄、これからどうする?」
真剣な表情で沙羅が涼に訊ねれば、涼は目を閉じ、頭を捻って考え始めた。しばらくそうしていると、何か思い付いたのか、閉じていた目をすっと開けた。
「……しばらくこの場で待機」
「…………は?」
何かいい案が思い付いたかと思えば、とてもそうとは思えない案が涼の口から出てきたため、沙羅は思わず茫然とした表情で涼を見ていた。
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