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「僕が途方に暮れていた時に、いきなり沙羅っちがこの場に現れたんだ。それなら、他にも誰か来るかもしれないだろう?」
確かにそれもそうだなと沙羅は納得して、誰かが来ればいい案でも思い付くのだろうかと、ふと沙羅は思った。
「待つ理由は分かったけど……誰か来ればいい案でも実行できるの?」
「いや、そんな案はない」
沙羅が試しに涼に訊ねれば、涼は即答で返した。その言葉に沙羅は呆然とし、そんな沙羅を見て涼は苦笑を浮かべていた。
「三人寄れば文殊の知恵っていう諺があるだろ?解決策考えるなり何かするにも、少なくともあと一人くらいはいた方がいいじゃないか」
その涼の言葉に、今度は渋々ながら、沙羅は納得した。納得してみれば、確かに次に来た人物が、何か有力な情報を持っている可能性があるかもしれないと考えが浮かんできた。
「……そうだね。少しだけ待ってみようか。でも、あまり長く同じ場所に留まらないようにしよう?」
「分かってるよ。……それじゃあ、誰かが来るまでの間、何か話でもしてようか」
沙羅の言葉に涼は頷き、会えたことがよほど嬉しいのか、笑顔を浮かべながらそう提案すれば、二人は他愛のない話を始めた。
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