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「……これじゃあなぁ……」
沙羅も辺りを見渡して、調べるようなものがないため、「どうしようか?」と苦笑していた。
「バラバラになって調べてみる……」
「……は、危険じゃないかなぁ?」
「……だよね」
とりあえず三人で別れて調べてみようかと提案する涼だったが、沙羅と箒星の二人の意見にもっともだと思い、苦笑を浮かべて考え直した。
「じゃあ、時間はかかるかもしれないけど、三人一組になって調べてみるべきかな?」
箒星がやはりこうするしかないかと思って言えば、涼と沙羅もそれしかないなと思い、その提案に頷いた。
「んじゃ、善は急げだ。早速行こう」
涼が手を叩いて、パンと高い音を鳴らしながらそう言い、それに沙羅と箒星が頷いて、三人が同時に歩き出そうとした時だった。
「その必要はない」
ふと、三人の耳にそんな言葉が聞こえてきた。明らかに男性の声だったため、唯一の女性である箒星は、涼と沙羅の方へと目を向ける。
しかし、二人はその視線を受けて顔を見合せれば、首を傾げていた。どうやらこの二人ではないらしい。
しかし、この場には三人しかいない。それなら一体どういうことなんだと、三人が辺りを見渡そうとした時だった。
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