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「え?あ、うん……リアルだけどアバターな沙羅っち……って、あれ?」
涼に興奮気味に話しかけられた沙羅はかと言えば、この場に来たばかりだというのに、混乱を呼びそうなその言葉に、更に混乱していた。
「いやー、こんなよく分からない場所で、沙羅っちに会えたのはよかったなー。一人じゃ心細くてさ」
「こんな場所?こんな場所……そう、こんな場所だよ!」
涼が何気なく言った言葉に沙羅は反応し、頭の中で行き交っていた情報が、霧が晴れるようにすっきりし、沙羅は涼に詰め寄った。
「この世界は何!?この姿は何!?何で涼兄がいるの!?」
「さ、沙羅っち、とりあえずは落ち着いて……」
「こんな状況で落ち着いてられないよ!」
「僕もよく分からないんだ!とりあえず、話せることは話すから、一旦落ち着いて!」
掴みかからんばかりの勢いで問い詰めてくる沙羅に、涼はなんとか落ち着かせようと試みる。
すると、沙羅はこうしていても仕方ないと考え、深呼吸をしてとりあえず気分を落ち着けた。
「……それで?言う通り落ち着いたんだから、ちゃんと話してよ?」
沙羅が落ち着いたのを見た涼はその言葉に頷き、とりあえず自分がこの場所に突然現れてから、同じように突然沙羅が現れるまでのことを話した。
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