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愛しいあなた
下を見るとそこには恋人が
「真紀?(マキ) どうしたの?」
「ん~?なんでもないよ」
腕なんか組んでラブラブね
携帯の画面にはメール作成画面がでていて
ゆっくり貴方宛にメールを打つ
指が震えるのはあなたをまだ好きだから、なんてね
ゆっくり送信ボタンを押す
別れよう。
疑問文じゃないから
頭の良い貴方なら気付くよね?
もう、確定事項ってことに
「真紀、彼氏とは別れた?」
「うん…お兄ちゃんごめんね
転校手続きとか、めんどくさかったでしょ?」
「ははっ めんどかった!
でも真紀のためだしなっ!」
「ふふっ ありがと!」
今日、転校する
知ってるのは校長先生と担任
2週間前から準備してたから
淡々と物事は進んでいった
そして私はこの町を出る
ちょうどお兄ちゃんの彼女が一人暮らしをはじめて
一人だと寂しいらしく
お兄ちゃんが一緒に住むことになった
そして問題なのは私で
両親は共働きで家にあまり帰らない日が多く
今まではお兄ちゃんが居たから
両親は特には心配しなかった
でもお兄ちゃんが話を切り出すと両親が私を心配しだし
彼氏とは切んなきゃと思ってたから、全寮制学校を提案した
それなら安心と言った両親のお陰でトントン拍子で話は進んだ
お兄ちゃんが共働きな両親の代わりに学校の手続きをしてくれた
最後に教室を見る
夕焼けに染まる教室は綺麗で、綺麗なのに視界が霞む
「………真紀、時間だ。」
「…うん。」
私の頭に手を乗せたお兄ちゃん
本当は分かってるのかな
思い出がありすぎて泣いたんじゃないってこと……。
私の携帯が着信を知らせるランプが着いてたことは
見えない振りをしておいた。
End...
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