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ある日の昼下がり
ふにゅ そんな音が似合うようなキスをされた
上唇と下唇で器用に唇を挟む目の前の馬鹿。
せっかくの読書も邪魔された
とりあえず片手で馬鹿の顔を払いのけ手の甲で口を拭う
後ろを向いて読書を続行した
数秒後 今度は首筋に違和感を感じた。
キスをしたり 時偶ちりっと小さく痛いのはキスマークか。
コイツの行動は分からん。
今に始まったことじゃないが長い月日一緒に居た、だけど今だにわけの分からない行動をする。
だけど今はコイツより読み掛けの小説のが気になるのは事実。
優先事項はもちろん、小説だ。
コイツの理解不能の行動はあとで聞いても構わないだろう。
そして読書に集中した。
数分後ーー
嗚呼、コイツ構って欲しいのか
そう気づいたのは首筋を舌で舐められてからだった。
小説を閉じて後ろに振り返りキスをする。
それはとても幼稚な社会人がするようなものではない、唇をあわせるだけのもの。
だけども とても甘くとても優しいキス。
唇を離せばそんなキスに ふにゃりと笑う恋人がいた。
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