どっち?

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どっち?

平和な日本、その片隅に私達は住んでるから当然ここも平和。 ただ問題は私が暇なこと。 テレビはつまんない(1時間前に電源を消したしね) 新聞もつまんない(字が小さい) ゲームもつまんない(元からあんまやらないし) でも隣の隼人は暇じゃないみたい。 せっかくの休みなのに本読んでるし。 『隼人、ひまー。』 「今山場なんだよ。」 …30分前も山場じゃなかった? 『ねえ、構ってよ』 なるべく甘い声で素直に。 「邪魔しないでよ。」 なんかカチーンきたよ、あたし。 『ねえ、隼人お願い。 ずっと待ってたよ?構って?』 膝の上に跨がって本を奪い取り小さく小首を傾げる。 これならどう? 「……邪魔。」 凄く嫌そうに本を奪い返されて、退けられて床に落とされた。 『……分かったよ。 もう隼人の邪魔はしない。 でも他の子と遊んでやる!』 もう嫌いだ。 携帯の電話帳から啓を探す 腹立つから隼人の親友の啓と遊んでやる! しばらくの呼出し音 忙しいのかな? 考えてると にょきっと横から腕が伸びて電話をきる。 『……隼人携帯返して。』 後ろを振り返れば隼人が睨んでた 「ったく なんなのお前。 少し放置するくらいで浮気とか、しかも相手は啓だし。」 『浮気じゃない。アソビ。』 隼人は眉間に皺を寄せて前髪を右手で掻き乱し目はギラギラ。 『隼人は本と遊べば?』 わざと神経を逆なでしてみる。 すると隼人は本をソファーに放り出してこっちによって来た 「できるわけないだろ。 ほら、これでお前の望み通り。 だから俺の望みも聞けよ。」 無理矢理噛み付くようなキスをされた。 まあ、そのあとのことはご想像におまかせします。 ただひとつだけ―― (目には目を、歯には歯を。) (ヤキモチには、ヤキモチを。)
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