流れる時の中で

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流れる時の中で

空をふと見上げる。 綺麗な晴天。 たまに忙しい中でお前を思い出す。 ふとした瞬間にお前がいた気がしたとか、お前とすれ違った気がしたとか。 ありふれた中にお前を思い出す。 悪戯が成功して笑った顔 仕返しされて驚いた顔 悲しい話を聞いて泣いた顔 喧嘩をして怒った顔 思い出して目が潤んだ 大好きだ、今でも なあ、お前いま上から見てるか? 情けないだろ、まだ泣くときがあるんだぜ? なあ、一人は辛い。 逝ったお前も辛いだろうけど、残された俺も結構辛いんだよ。 結局我慢してた涙は零れた。 そしたらとめどなく涙は流れては落ちて、地面に吸収された。 悔しくてでもどうしようもなくて 分かってる、分かってる アイツは居なくて俺は居る。 頭では分かっていてもどうしても認められなくて。 だって道ですれ違った気がした。 まだお気に入りの喫茶店に居る気がする。 分かってる、全部現実逃避なのは。 それでも俺は今日も二人の家で待ち続ける。 流れる時の中で (周りは進んでいく) (俺だけは進まずに留まっている)
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