電話

2/2
前へ
/12ページ
次へ
「直葵起きな!もう10時回ってるよ!」 「ん、もうちょっとだけ…」 「携帯ずっと鳴ってたよ。早く見てあげな」 携帯、携帯……? 「奈緒先に言ってよ!起きたから部屋から出て」 奈緒とはあたしのお母さん。お母さんって言うのが嫌で名前で呼んでる。 携帯を開くと優夢からの着信が7件もあって、驚きながらもかけ直した。 プルル……プルルルル やけにコールの音が長く感じる。 「もしもし、やっと出てくれた。仕事で連絡するの遅くなってごめんな」 「ごめん、いつの間にかあたし寝てたみたいで」 「ったく、心配したんだからな。ん?お前あたしって言ってたっけ?確か私だったような……」 「ごめんなさい。あぁ、そのことね。お風呂出てからメールする。奈……親がうるさいから」 「絶対メールしろな?」 電話が切れた後もまだ耳に優夢の声が響いていた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加