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曇り空の下ある海岸で少女が泣いていた。太陽の光も完全に途絶えた時、空から雫が落ちてきた。その雫は激しさを増すばかりだが、少女は一向に帰る様子もない。
押し寄せては引き返す波の方へと近づく少女を1人の少年が見ていた。
少女の足に冷たい波が触れる。まるでこっちにおいでと誘うように………
「あいつ死ぬ気かよ、」
少年は少女の行動に驚きながらも、少女の元へ走った。少年が少女に声をかけようとした時、少年は言葉が出なかった。
少女が美しく、でも悲しげに空を仰いだから。
そしてゆっくりと口を開き、歌を歌い始めた。
哀しい歌を……
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