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誰かが呼んでいる
僕を起こそうとするのは誰?
僕はまだここにいたいんだ。
そんな願いはすぐに消えてしまい無理矢理他の人達に起こされてしまった。
手術室のライトが護の眼球を刺激した。凄く眩しいな…周りがぼやけて…良く見えないよ…。
知らない人達の視線とまるで意思を持って生きているかのように規則正しく動いている機器に護は恐怖を覚えた。
何だかとても怖い。
ママはどこにいるの?
ママ―!
護は言葉にならない声で力一杯泣き叫んだ。
「おめでとうございます。お父さん!元気な男の子ですよ。」
若い看護師の明るく元気な声に薄暗い病室の廊下はパアッと昼間のように明るい雰囲気になった。
「本当ですか!良かった。 それでママは…?」
「ご安心下さい。奥様も元気ですよ。ご覧になりますか?」
若い看護師は得意気に説明した。
「はい!宜しくお願いします。」病室に入るとママは穏やかな表情で生まれたばかりの我が子を抱いていた。次郎はその光景に見てれていた。「よかった…本当によかった。」
次郎は自然と涙を流していた。
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