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護が生まれてから3年が経過した。
特に大きな怪我や病気もなく元気に育っている。
「ママ~パパ、またお寝坊さんだよ。」
「護、パパを優しく起こしてきてくれる?」
「は~いママ」
「パパ起きないとダメですよ~」
「う…ん…おはよう護。もう朝かい?今起きるよ。」
寝癖と無精髭でお尻を掻きながら起きた父親は護の目には別の人に見えた。
それでも着替えて会社に行く時にはいつも同じ人物に見えるのだが。
「今日から護も幼稚園だな」
次郎は湯気が立ち昇りいい匂いのする黒い液体を飲みながら話した。
「体験入園は既にしているし、もう友達もいるんだよね~」
二人仲良く牛乳を飲みながら声を揃えていった。
「僕の通う幼稚園は桜幼稚園だよ。」
焼きたてのホットケーキにバターと蜂蜜をたっぷりつけて幸せそうな顔をしていった。
「さぁそろそろ時間よ。遅刻しないでね。せっかく護が早く起こしてくれたんだから。」
「あぁありがとう二人共。」
そういうと慌てて玄関の方に行き、二人は唇を重ねていた。
護はその行為が何を意味しているのかさっぱり理解出来なかった。
幼稚園の迎えのバスが来るまでの間ずっと考えていた。
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