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「あー―――――…それは気の毒だ」
土方は本当にそう思っているのかと言うぐらい棒読みだ。
「じゃあ!」
美海は目を輝かせた。
「だが駄目だ。ここは女人禁制だ。そんなことをしたら隊に示しがつかん」
「土方さん!今どき男女差別なんて流行りませんよ!」
美海はムッと眉を潜める。
「駄目なもんは駄目だ」
もうすぐ芹沢を暗殺するというのに、お梅がいては困る。
「美海ちゃん!もういいんよ?」
お梅は苦笑いしている。
無理矢理居座るのも気が引ける。
「ん゛ー――――!土方さんのケチ!石頭!」
美海は頬を膨らますとバンッとお梅を連れて土方の部屋を出た。
「言っとけ!」
土方も怒鳴る。
プッ
「あはははは!美海ちゃん相変わらずやな!」
上から山崎が降りてきた。
「少しは静かになってもらいたいものだ…」
はぁ。とため息をつく。
「ところで山崎くん。宴会場の準備はできたかね?」
「はい。誰も来ない奥の部屋を準備しました」
「御苦労だ」
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