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拓真が私のシャーペンを使っている
それだけで嬉しくなった
数学の時間。先生が欠席だったから自習
課題のプリントを渡された
「分からない…」
この問題分からな~~い
だから数学はキライなんだよ(泣)
「どこがだよ。」
拓真が椅子を引いて私に近づいてきた
「愛海、ここは…こうして…あぁして……」
拓真の細くて長い指が私のプリントの端に文字を書いていく
髪がサラサラしていて、なんか…いい匂いがするよ
「…おい。分かった?じゃあ解いてみろよ」
私は問題を解いた
拓真が真剣な顔をして私を見ている
緊張して問題が解けない
「そこは今教えただろ?本当に愛海はバカだな」
あははと笑う拓真を見て私も自然と笑顔が出た
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