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  ◇ 「俺に掛かってくるなんて百年早いかなー?」 ふふふと妖艶に笑う金髪長身男は自他共に認めるいい男だ。 その男、コウは伸びている男をまた蹴りあげた。 コウはチームの副長様。まあ、総長の俺の次に偉いぜ、みたいな? お互いの兄貴から譲られたポジション。 コウはなんとかのなんとかって言われているくらい強いらしい。なんとかって言われてるのかは忘れた。 このコウだが、少し…いやかなり駄目なところがある。 「俺を殴ったり、蹴ったり、イカせたり、蔑んでいいのはワタだけ。…ああ!愛しの俺だけのワタに会いたい!」 誰がイカせたり、だ。 周りもドン引きなこの変態ドM発言。みな、コウは明るくて強いから尊敬されていたりするが、どうも見え隠れもしないこの変態さにはついていけないらしい。 確かに俺もついていけない。 ワタとはコウの心のオアシスらしい。 ワタが誰なのか、どんな顔をしているのかなんて誰も見たことがないから知らない。 だが、このコウを骨抜きにするワタには誰しも興味があるだろう。 興味があるなんて本人の前で言ったら最後だと思う。 俺らはそのワタをワタ姫とかワタちゃんなんて呼んでいる。 噂に尾ひれがついて、巨乳ロリロリ妹系美少女だとか才色兼備な年上女教師系美女だなんてことになっている。 俺?もちろん、そのワタとやらに会ってみたいねぇ。  
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