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――彼方side―
まだ寒く、ブレザーの下にはセーターやカーディガンを着ている季節。
1年3組の教室では、何時も通りの日常が繰り広げられている。
――‥筈だったのに、この日は違っていた。
「かぁなたッ」
俺が、何時も通りに机に突っ伏していれば、何時も以上に明るい木藤の声。
何事かと瞼を持ち上げ、机に突っ伏したままに木藤に視線をやる。
するとキラキラと輝いた笑みを浮かべる木藤の顔が視界に入ってくる。
「平良先輩にチョコ渡すの?」
なんて、相変わらずのキラキラ笑顔で楽しげに尋ねてくる。
いやいや、意味がワカリマセン。
なんで突然平良にチョコなんぞ渡さなきゃならんのか。
いや、確かに平良は甘いモノが好きだけど、なんの意味もなくチョコのプレゼントとか、意味がわからねぇだろ。
俺が訳がわからず眉を寄せ、眉間に皺を刻めば木藤も同じよーに眉間に皺を作る。
「……彼方、わかってないの?」
なんの事だかさっぱりわからない。
俺が無言のままに頷くと、木藤は元々デカい目を更にデカくして、驚いた表情を浮かべる。
これまたデカい目だこと…。
「日曜日バレンタインデーだよ!?」
俺が呑気にそんな事を思っていれば、険しい表情で言ってくる。
……バレンタインデー?
バレンタインて、女が好きな男にチョコ渡すんじゃねぇの?
ひなサマに絵、頂きました❤
何時も何時も素敵な絵をまじでありがとォございマス❤
彼方&健
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